保育目標③

自然の中で美しさやすばらしさや不思議さに感動したり心を動かしたりする感性(センス・オブ・ワンダー)を育てる。

御南の保育に大きな影響を与えた一冊の本をご紹介したいと思います。それは『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン著)。作者と幼い甥との日常を綴った50ページほどのこの本には、どのような教育論よりもすばらしい普遍的なメッセージが込められていると私たちは思います。

センス・オブ・ワンダーとは、「自然の神秘さや不思議さに目を見はる感性」というふうに訳されています。

たとえば御南保育園でのある日、ある子が、夕日が沈んでいく様子を見て「きれいだね」「まっかだね」とつぶやき、歌を口ずさみました。またある日、大きく実ったスイカを触りながら、「あんな小さな種がこんなに大きくなったんだね!」と、その不思議さに驚き、感動する姿がありました。

それは子どもたちが生まれながらにして持っている「センス・オブ・ワンダー」です。

私たち御南保育園では子どもたちのセンス・オブ・ワンダーを失うことなく育みたいと考えています。だから子どもたちに、なんであれ「本物」の体験をさせてあげたいのです。
太陽の日差し、風や雲、霜や氷、園庭の植物や飼育物、周囲の田んぼ、笹が瀬川でのヨモギ摘みや虫とり、自然保護センター(里山の春と秋)や半田山遠足、渋川マリン水族館、藍染め、天体観測、恩原高原での雪遊び等々…。

このようにして毎年毎年、幼い心に焼きつけられてゆくすばらしい光景の記憶を、一生の宝物としていってほしいと願っています。

以下はレイチェルカーソン 『センス・オブ・ワンダー』からの引用です。

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になる前に澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。
もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない<センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性>を授けてほしいとたのむでしょう。

もし、あなた自身は自然への知識をほんのすこししかもっていないと感じていたとしても、親として、たくさんのことを子どもにしてやることができます。
たとえば、こどもといっしょに空を見あげてみましょう。そこには夜明けや黄昏の美しさがあり、流れる雲、夜空にまたたく星があります。

「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。
子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけだした知識は、しっかりと身につきます。消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切りひらいてやることのほうがどんなにたいせつであるかわかりません。

『センス・オブ・ワンダー』は図書館で借りられます。以下のリンクをご参照ください。
岡山県立図書館 / 岡山市立図書館

日常、意識することもなく何の違和感もなく存在するものがあります。たとえば空、雲、太陽、植物、虫! 四季折々にその姿は変わります。驚きや感嘆があります。それを子どもと一緒に感じ、分かち合いたいと私たちは願っています。